久しぶりのイタリア映画です。
世界中の5つ星ホテルに泊まるのが仕事。多くの女性がこの映画の華麗な宣伝に、私と同様一瞬釘付けになるでしょう。
40代の独身女性であるイレーネ(マルゲリータ・ブイ)は、高級ホテルに素性を隠して泊まりサービスを調査する覆面調査員。
ホテルのホスピタリティーとクオリティーを細かくチェックする仕事は、彼女の誇りでもある。
実際に、高級ホテルに不慣れな若いカップルに、“それなり”の接客をして、場違いな居心地の悪さを感じさせた従業員のいるホテルを厳しく格下げした場面は、拍手を送りたくなる。
おまけに、たまに家に戻ったら何でも話せる親友のアンドレア(元カレ)と気ままに会ったり、妹夫婦と姪っ子たちがいつでも受け入れてくれるという恵まれた私生活だ。
と、思っていたら、いつの間にか小さな変化が起き始めて、気がついたら・・・
「私って一人ぼっち?これからどうなるの?」
この映画の一番の主役は、実在するパリ・スイス・トスカーナ・モロッコ・ベルリン・上海の高級ホテルの優美な姿です。
ラグジュアリーという感覚が、日常的でない人間(私)には、それこそ場違いになりそうな映画に真実味を加えたのが・・・・イレーネの妹シルヴィアと、アンドレアの恋人のファビアーナ。
良き妻・良き母という役割を楽しくこなしていたはずのシルヴィアの中年の危機。
カフェギャラリーのオーナーであり、アンドレアにとって都合のいい自立した女性だったファビアーナの突然の妊娠。
周りが余裕がなくなった時に、急に自分の居場所がなくなりそうと感じて不安になるイレーネでしたが・・・最後には自分を取り戻すことができました。
それは、やはり自分に合った仕事があったからかな。
周りの人間も、自分自身も完璧ではないから、評価するのではなく、ありのままの姿を受け入れてこその5つ星人生といえるのかも。
ただし、人生の曲がり角にきた時、どの道選ぶかはそれぞれが良く考えないとね。Have a safe journey.
スパイスの効いたイタリア映画は
ワインを片手にぜひ。
(2014.8.11)