先日、今年のアカデミー賞を賑わした「世界にひとつのプレイブック」を観ました。崖っぷちの(心の傷により)男女が問題を起こしながらも、徐々に希望を取り戻していく再生物語であり、ジェニファー・ローレンスも素晴らしかったですね。
ただ「困ったちゃん」扱いをされてしまう女の子物語としては、2010年に観た「ウルトラ I LOVE YOU」の方が私の中では強烈なインパクトがあったので・・こちらを紹介します。
クロスワードパズル作家のメアリー(サンドラ・ブロック)は、親と同居しながらパズルを作り続けています。そんな娘のために親がおぜん立てしてくれたブラインドデートの相手、スティーブ(ブラッドリー・クーパー)に一目ぼれしてしまいます。
イケメンですが優柔不断なスティーブが嫌がっていることに気がつかず・・TVのニュースカメラマンである彼の後を追って、アメリカ大陸どこまでも追いかけていきます。
もうなんかやばい感じですよね・・。ここでいったん引いちゃいますよね。
追っかけの途中、三本足の赤ちゃんの人権にたいしての訴訟のため座り込みをしているグループの人たちと知り合います。
「BE NORMAL・・普通になれ・・」
頭の回転が早すぎたり人とこだわりがちがうため・・常に変わり者扱いをされていたメアリーですが、初めて彼女をありのままに受け入れてくれる友達ができます。そして本当の仲間に出会った時、メアリーの心のすき間が満たされたのでした。
年齢不詳な雰囲気で赤いブーツをはいて頑張るメアリーを演じたサンドラ・ブロックは、この役でゴールデン・ラズベリー賞(ラジー賞ともいわれる年間最低映画を決める大真面目?な賞)主演最低女優賞に選ばれます。
それだけではなく、2009年この年のアカデミー主演女優賞(映画しあわせの隠れ場所)にも輝き、ラジー賞とのダブル受賞は初であり・・・またどちらの授賞式にも出席するという大物ぶりが話題になりました。
(ラジー賞には出席しない俳優さんが多い・・ただし最低というより期待外れとか残念賞的な意味もあり、映画を愛すればこその賞かと)
そんな大物サンドラが、制作者としても関わったこの映画には、彼女の心意気を感じることができます。
この映画が今公開されていたら・・もう少し評価が高かったのではと思うのですが・・。
共演俳優たちもすごいです。
プレイブックの相手役でも出ていたブラッドリー・クーパー。ハングオーバーシリーズやAチームなどのクレバーぶりも好きだけど最近のワーズでの抑えた役も印象的でした。セックス・アンド・ザ・シティでのちゃら男役デビュー場面も見逃せません。
トーマス・ヘイデン・チャーチ(サイドウェイ)ケン・チョン(ハングオーバー)DJクオールス(ザ・コア)名前は知らなくても見たことありそうな濃い俳優たち。
初めはメアリーが痛いし・・共鳴するのがこわかったけど・・最後に自分のいるべき場所とか生き方とかを、一から考えさせてくれる貴重なロード・ムービーだったと思います。
ちなみにラジー賞どんな作品が選ばれているか気になりますよね。
この作品と同じように多くの部門でノミネートされていたのに、ウィル・フェレルの「マーシャル博士の恐竜ランド」がありました。この作品も結構好きなんだけど・・・一番はなんでも偉大なのか・・私がやっぱり変わり者なのか・・・ぜひ、機会あれば確かめてみてくださいね。
2013.9.11