THE DARK KNIGHT

ダークナイト

 

 

 以前夏休みは「まどか☆マギカ」の時代かな・・と、書きましたが、見終わった後のぽっかり穴の空いた状態を救ってくれたのが「ダークナイト」。

 

 

ダークナイトは、バットマン三部作の二作目として数年前に制作された大ヒット映画です。あまりに有名なので取り上げるのを躊躇するほど世界中でヒットしました。

 

 

ジョーカー役のヒース・レジャーが、映画の完成直前に不慮の事故死を遂げ・・・そしてアカデミー助演男優賞を受賞したのをWOWOWで生中継で観て(ご家族が受け取りました)泣いたにも関わらず・・・バットマンだしもう関係ないんじゃないかしら・・と、観ていなかった私。これは大変大きな誤りでした。

 

 

まず冒頭の車を待つヒース・レジャーの後ろ姿を見るだけでも鳥肌が立つ。その気迫迫るオーラに目を奪われ、その後ノンストップで続く緊迫したシーンや迫力満点のアクションにぐいぐい引き込まれてしまいます。

 

 

しかし、この映画で一番印象に残ったのは・・自分の中のダークでハードな心の深淵を、はっきりと自覚してしまったということです。ある意味決定的に人生を変えた映画です。

 

おそらく誰もが心の奥底をのぞきこんでしまいます。

 

 

崖っぷちに立った時の人間の心理をドライなくらい鋭く・・しかし温かい視線と公平な立ち位置で描ききる監督の力量。

そんな監督が出てくることが映画の底力であり、人間の可能性の大きさをあらためて知る機会となりました。

 

 

その鬼才クリストファー・ノーラン監督は、「ノーラン組」と呼ばれるスペシャリスト集団をまとめながら前進し続けています。「インセプション」も素晴らしかったですね。

 

 

ヒース・レジャーは命のすべてをそそぎ込む演技でした。残念でしたが・・ご冥福をお祈りします。

 

 

 

THE DARK KNIGHT RISES

ダークナイト ライジング

 

 

運のいいことに、ダークナイトを観た数日後にバットマン三部作完結編である「ダークナイト・ライジング」の公開日となりました。

 

映画の上映初日に観に行くのは何年ぶりだったでしょう。

 

 

前作の続きではありますが、8年の月日が流れ・・クリスチャン・ベール演じるブルース・ウェイン(バットマン)の変貌に驚かされます。富豪プレイボーイの変わり果てた姿に・・・努力とか志というものは、人をとことん絶望に追い込んでしまうのが現実かと重い気分にさせられます。

 

そのブルース・ウェインを立ち直らせ社会復帰?させてくれるのが・・宿敵ベイン(トム・ハーディ)の存在ということになるのでしょうが、別の見方もできます。

 

 

若く魅了的なキャットウーマン(アン・ハサウェイ)と正義感の強い若い警官のジョン・ブレイク(ジョゼフ・ゴードン・レヴィット)の二人の登場こそが、ブルースを復活させ再生させたのだと思います。私には、これが大事なテーマだと思えました。

 

 

このシリーズには重要なキャラクターが登場します。

ゴードン警部補(ゲイリー・オールドマン)、執事のアルフレッド(マイケル・ケイン)、ウェイン社のフォックス(モーガン・フリーマン) ・・配役だけでもその重要さがうかがえますが・・中年から初老の役であり、皆ブルースを助けながらも、自分も生き返るような刺激を彼からもらっています。

 

 

世代間を超えて繋がりを持つというのは、こういう形で影響を与え合うことに意味がある、と教えてくれているように思いました。

 

 

 

そしてクリストファー・ノーランは、さらにパンドラの箱を次から次へと開け続けます。

 

 

このような問題提起ができるのは、監督と共同脚本を執筆している弟のジョナサン・ノーランの人間に対する深い尊敬と信頼があってこそであり、また映画は本来エンターテイメントであるという信念があるからこそかなと思います。

 

涙涙のラストではありましたが、そのエンディングの数分間に、娯楽映画の醍醐味を堪能することができ・・その余韻に震えます。

 

以前グリーン・カードでも取り上げさせてもらったハンス・ジマーが音楽を担当しており、エンディングからタイトルエンドまでを、音楽で物語を語れるほど素晴らしい「RISE」という曲が流れます。

 

 

ブルーレイなど購入される場合には、特典映像付きでぜひ「ノーラン組」のお仕事もチェックしてみてください。それはもちろん三部作すべてにおいてですよ~。個人的には「ダークナイト」「ビギンズ」「ライジング」の順番をお勧めします。

そして本当にダークなダークなチョコレートですので・・・。

 

 

 

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